なるほど 豆知識

「食べるプラスティックをご存じですか?」         記事提供: 安元重実(やすもと歯科医院)

 「皆さん!『食べるプラスティック』をご存じですか?」 2006年12月、私はニュースでこのフレーズを聞いて「食べるプラスティック」っていったい何のことだろうと思いました。そのニュースは、アメリカのニューヨーク市で「2007年6月からレストランなどの外食産業で揚げ物に使用する植物油にトランス脂肪酸を含んだものを使用した場合、罰金を科せられる法律が制定された。」という内容でした。脂肪酸はもともと体の細胞膜の基になる栄養素なのですが、天然にはほとんど無いトランス脂肪酸の分子構造が石油から作られるプラスティックの分子構造に似ているということで「食べるプラスティック」と呼ばれているものでした。2008年7月からは、フライドポテトのような揚げものだけでなく、パンやケーキ、サラダオイルなどすべてのメニューに含まれるトランス脂肪酸の使用量を1食当たり0.5g未満に抑えるように義務付けられました。
 もし、規制に違反した飲食店は罰金200ドルから2000ドル(約2万5000円から約24万円)を払わなくてはなりません
 トランス脂肪酸は天然型でないために代謝されにくい脂肪酸で、ガンや心臓病の原因になるだけでなく、アレルギーの原因になるといわれています。
 日本の企業でも、セブンイレブンやミスタードーナツ、フランソワのパンなどのコマーシャルでトランス脂肪酸を減らす努力をしていることをアピールするようになってきました。
 油は昔、種子類・ナッツ類・果実類から皮や殻、ゴミなどを取り除いた後、低温で圧搾して作っていました。日持ちしないため、必要な分だけ作ったり、購入していました。 現在では、長期間保存できてしかも大量に生産するために高温で水素やヘキサンを添加して精製するためビタミンE、ベータ・カロテン、レシチンなどの栄養素が破壊され、その上リノール酸やリノレン酸が破壊され有害なトランス脂肪酸に変化したものが店頭に並んでします。さらにマーガリンやショートニングは、植物油より多くのトランス脂肪酸を含んでいます。
 わずかな量のトランス脂肪酸でも細胞膜を弱くして活性酸素が容易に細胞内に入り込み遺伝子を傷つけてしまいます。
 また、トランス脂肪酸は、長時間の加熱によっても増えてしまいます。何度も使用したり、長時間加熱することは避けた方が良いと思われます。
 その他、リノール酸の摂りすぎも私たちの細胞膜をもろくしてしまい、病気になりやすい体になってしまいます。厚労省は、リノール酸(n-6系)とリノレン酸(n-3系)のバランスが4:1を推奨しているのですが、人によっては10:1になっていると聞きます。
 加熱する場合は、オリーブ油などのオレイン酸(n-9系)を使うのもお勧めです。 1回に摂取する量はわずかでも、長い間に体に蓄積され、知らないうちに病気になってしまうことが無いよう、体に入れる物には注意が必要ではないでしょうか?
http://www.maff.go.jp/syohi_anzen/trans_fat/kokusai/new_york.html(農水省HP)

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