なるほど 豆知識
H29.11月号 「左官って何をする人なの??」 ; 記事提供: 小池 賞(小池左官)
左官はひと言でいうと『壁を塗る職人』のことを指します。
ヨーロッパでは左官職人の地位はとても高いですが
日本では左官職人の数が減少の一途をたどっています。
左官の古名には、土工(つちのたくみ)、白壁師、壁大工、石灰工などがあります。
白壁師や石灰工と呼ばれていたことからも
むかしの左官職人と漆喰には切っても切れない縁があったのでしょう。
16世紀の段階ではまだ左官という言葉はありませんでしたが
江戸初期頃から左官という言葉が使われだしました。
当時は、宮廷を工事する際に役職がないと
宮域内に入ることができなかったので
仮の官位として
「守(かみ)、介(すけ)、掾(じょう)、目(さかん)」
の階級がな ぞられました。
左官という名前の由来はここからきているといわれています。
ちなみに、
職名の中で“官”が付くのは左官だけです。
家の壁を仕上げていく左官屋さんは
庶民の間で尊敬されていたのでしょう。
左官があるなら「右官」もあるのではないかと思うかもしれませんが
その存在は現在のところ明らかになっていません。
西京壁と江戸漆喰
みなさんは
『西京壁と江戸漆喰』という言葉をご存知でしょうか。
その名前の通りなのですが
関西は京壁、関東は漆喰壁が住民の間で広まっていたようです。
関西では良質な粘土性の壁土が多くとれるため、
京壁、聚楽(じゅらく)壁が発達しました。
関東は地表がローム火山灰層で覆われているので、
土 壁に使えるような粘土が取れませんでした。
そのため、地域ごとに生産される石灰を使い、
中塗りや外塗りを漆喰仕上げにする技術が発達したのです。
関東では聚楽壁(じゅらくかべ)より漆喰のニーズの方が高いと思っていたのは
偶然ではなかったようです。
お時間あれば、
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